金太郎を生んだという伝説が残る子持ちも湯!田沢温泉「有乳湯」

山あいの田園風景の中を進むと、ひっそりとした温泉街に行き着く。宿の数3軒(昔は4、5軒)の小さな温泉「田沢温泉」である。十観山(標高1284.5m)の山腹、標高700mの山あいにある湯けむりを上げる田沢は、湯治が全盛であったころの”湯場”という呼び名が今に通じそうな、ぬくもりのある落ち着いた佇まいのままである。飛鳥時代に行者が発見したという伝承が残るほど歴史は古い。湯治に訪れた山姥が、鬼退治で有名な坂田金時を産んだ伝説もあり、古くから子宝に恵まれる「子持ちの湯」、乳が出るようになる「有乳湯」と親しまれ、現在の共同浴場の名に残ったという。

川のせせらぎと鳥の鳴き声を聞きながら、白壁や格子窓の建物に囲まれた石畳の坂道を上がると、島崎藤村が愛用した国の有形文化財「ますや旅館」、古き良き温泉情緒を満喫しながら歩けば「有乳湯」に着く。

2015_0430_114744-P1060873温泉街の雰囲気に合わせた趣ある木調のしつらえで、館内には清々しい木の香が漂う。唐破風の屋根がりりしい共同湯「有乳湯」は、10人ほどが入れるタイル張りの浴場は、大きな窓で明るく清潔感があり39°~40°のお湯はぬるく感じるが、湯口から大量の湯が源泉100%で掛け流されているせいか、10分もつからないうちに肩までしっかりと浸かっていると、じわじわ全身が温まり、額からうっすらと汗が噴き出す。肌がすべすべになるアルカリ性の湯は、微かにゆで卵のような硫黄臭がするのだが、いつのまにか無数のきめ細かい泡が身体を包み、湯冷めせず、冷え性に良い。飲めば肝臓や腎臓、胃腸の調子を整え、便秘や糖尿病などにも効くと評判で、飲み口は硫黄臭を感じない。

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共同湯にもかかわらず、洗い場はブースに仕切られ、源泉シャワー付きという贅沢さ。これで200円は安い。

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