千曲川旅情を誘う文学宿 中棚温泉「中棚荘」初恋りんご風呂

島崎藤村の「千曲川旅情のうた」に登場する信州小諸の中棚温泉「中棚荘」で、りんごが出回る10月から3月までの間行われているのが、中棚温泉名物「初恋りんご風呂」です。藤村の「初恋」の中の一節、「まだあげ染めし前髪の 林檎のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛の 花ある君と思ひけり・・・」から名付けられました。

しなの鉄道の小諸駅から小諸城址・懐古園脇の細い坂道をぐるりと回り、眼の前に千曲川が開けた、崖沿いに立つ中棚荘。その風情は、「千曲川いざよう波の岸辺近き宿にのぼりて 濁り酒濁れる飲みて・・・」と島崎藤村が詩にしたためた頃のままです。

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客棟から風雨除けの覆いに囲われた石段を登っていくと男湯、次に女湯がある。

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畳敷の脱衣所と浴室の仕切りがない「大名風呂」と言われる開放的な浴室で、むき出しになった梁が印象的です。浴槽は太い円柱型の「湯枕」という木によって仕切られていて、そこに数十個のりんごが浮かんでいる。これが名物「初恋りんご風呂」です。

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冬の寒さで冷えきった体を温めるには温泉に限りますが、その温泉にりんごが浮いていたらもっと素敵でしょう。檜の丸太にタオルを置けばまさしく湯枕になり、身体から力が抜けて極楽の境地にひたれるのです。

2014_0209_114501-P1040273中棚温泉は、自家所有の地下600Mから汲み上げた源泉100%の温泉です。泉質は弱アルカリ性低張性温泉で、濃度が低い分肌に優しく、包み込むような感じがしますし、もちろん飲用も可能です。神経痛、慢性疲労、美肌、ストレス、冷え性に効果があります。湯船に身を沈めると、温められたリンゴが互いにぶつかりあって放つ香りに、身も心も癒されます。眼下には、千曲川沿いの風景が広がり、飽きることなく、浴槽から眺めることができます。

内湯の奥の木製の取っ手を押して、千曲川を望める眺めの良い露天風呂に行くと、その解放感に心が躍ります。内湯より少しぬるめで長湯が楽しめ、竹筒から落ちる源泉の打たせ湯も気持ちがよい。打たせ湯で肩をほぐして、露天風呂に肩までどっぷりとつかると、肩も心もゆっくりとほぐれていくのを感じます。温度のちがう二つの岩風呂があります。

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